圧縮比(コンプレッションレシオ)
圧縮比(コンプレッションレシオ)とはエンジンのシリンダー内部へ、インレットマニホールドよりシリンダー内部へ吸入された混合気が、どれ位圧縮されるかを示す割合を数字で表したものです。
圧縮比はシリンダー内部でピストンが動く範囲の一番上の部分(上死点)と、一番下の部分(下死点)の容積比率で計算します。ガソリンエンジンでは、通常圧縮比が7〜10:1、ディーゼルエンジンでは16〜23:1とガソリンエンジンとディーゼルエンジンを比較すると、ディーゼルエンジンの方が圧縮が高く設計されています。
圧縮比は高ければ高いほど熱効率が上がる事となりますから、エンジンの出力が増す事につながりますが、高ければよいというわけではありません。圧縮比が高すぎるとノッキングを起こし、逆にエンジン出力の低下やエンジンの破損につながってしまいます。
特にターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給器付きのエンジンでは、シリンダー内への空気の過給を考慮し、圧縮比は低めに設定する事になります。
エンジンのメカニカルな部分でのチューニングで、シリンダーヘッドを削って圧縮を上げる方法がありますが、それだけでは体感できるほどの出力アップは望めません。エンジンのチューニングはあらゆる面から考慮して行わなければ効果が現れるものではありません。